柔道整復学 理論編 指骨骨折

指骨骨折

a.基節骨骨折

1. 骨幹部骨折

(変形)掌側凸変形
近位骨片:屈曲(虫様筋、骨間筋)
遠位骨片:背側(背側腱膜)

(整復)
MP関節屈曲させ両母指で基節骨を掌側から圧迫し2指でPIP屈曲
(固定)
手関節伸展30°、MP屈曲30°、PIP屈曲70°、DIP屈曲20°
不安定な骨折は隣接指と固定

2. 骨頭、頸部骨折

小児に多い、まれ

 

3. 基部骨折

掌側凸変形、小児の骨端線離開をみることが多い

 

b.中節骨骨折

1.頸部骨折

小児に発生、まれ
(発生)
中節骨の頸部に剪断力が働き発生

 

2.骨幹部骨折

 

・浅指屈筋腱付着部より近位部の骨折(背側凸)
近位骨片:短縮(伸筋腱)
遠位骨片:掌側に短縮(浅指屈筋腱)

(固定)手関節伸展、MP軽度屈曲、PIP、DIP伸展位

・浅指屈筋腱付着部より遠位部の骨折(掌側凸)
近位骨片:掌側転位(浅指屈筋腱)
遠位骨片:そのまま

(固定)手関節伸展、MP屈曲、PIP、DIP屈曲位

※後療法は2週間後、自動運動を開始。他動は禁止

3. 掌側板付着部裂離骨折

(発生)
スポーツなどで過伸展
(症状)
PIP関節部の腫脹、皮下出血斑、運動痛、他動的に過伸展で掌側に不安定性
(整復法)
PIP屈曲位で掌側板を中枢から抹消へ向けて圧迫した後、PIP関節を完全に屈曲させ整復
(固定)
完全に屈曲したPIP関節を徐々に伸展位とし、MP90°、PIP関節伸展位、DIP関節伸展位のsafe positionにして固定

 

c.末節骨骨折

指骨の骨折の中で最も多い
1位:3指  2位:1指
分類:縦骨折、横骨折、粉砕骨折
(症状)
➀骨折部の腫脹、圧痛、皮下出血斑
➁遠位部の掌側転位
③爪下血腫による強い疼痛
(転位)
深指屈筋腱付着部よりも近位での骨折
近位骨片:原位置もしくは背側転位
遠位骨片:掌側転位(深指屈筋)

深指屈筋腱付着部よりも遠位での骨折
筋力に左右されず爪に保護されていて転位がほとんどないことが多い

(整復法)
母指と示指で遠位骨片をつかみ末梢牽引を加えると同時に掌側側方向から圧迫を加え、次に両側部に圧迫を加えて側方転位を整復する
(固定)
範囲:基節骨~指尖
期間:2~4週間

d.マレットフィンガー

(発生)
球技での突き指という形で発生
別名:ベースボールフィンガー、ドロップフィンガー

(分類)
Ⅰ型:終止腱の断裂
Ⅱ型:終止腱の停止部の裂離骨折
Ⅲ型:末節骨の背側関節面を含む骨折(関節面1/3異常で脱臼骨折)

(症状)
DIP関節の腫脹、疼痛、伸展障害

(整復)
患肢の中節部遠位を母指と示指ではさみ、両指を末梢に滑らせながら母指で骨片を圧迫、示指で末節部を過伸展して整復する

(固定)
Ⅰ、Ⅱ型:MP軽度屈曲、PIP屈曲90°、DIP過伸展で固定
Ⅲ型軽度:MP軽度屈曲、PIP屈曲、DIP過伸展で固定
Ⅲ型重度:過伸展はかえって転位をまねく
固定期間
Ⅰ型:6~8週間
Ⅱ、Ⅲ型:5~6週間

手指骨折の後療法について
受傷、整復後に手指に腫脹出現。
腫脹放置⇒損傷周囲の関節はさん出液で浸潤⇒フィブリンが関節包のヒダの間や腱と懸賞の間、靭帯、筋の周囲に沈着⇒関節拘縮

この流れを防止するために、RICE処置を行い固定にふくまれない部位は早期に動かす

fukuchan

柔道整復師、鍼灸師、医薬品登録販売者として治療院を開業しています。 柔道整復師、鍼灸師を目指す学生さん向けに、オリジナルイラストを使って教科書をわかりやすくして発信しています。

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