柔道整復学・理論編 肩甲骨の骨折

肩甲骨の骨折

40~60歳、直達外力が多い
(分類)
1. 骨体部骨折

2.上下角骨折

3.関節窩骨折

4.頸部骨折

5.肩峰骨折

6.烏口突起骨折

 

1. 肩甲骨体部骨折、2上、下角骨折

肩甲骨体部骨折
横骨折が多い。腱板筋におおわれているためは転位少ない

 

上角骨折
上内方転位(肩甲挙筋)

下角骨折
前外上方(大円筋、前鋸筋)

(症状)
1. 患肢を内転位保持
2. 限局性圧痛、皮下出血
3. ときに深呼吸痛
4. 筋内出血で腱板筋攣縮により外転障害。腱板損傷に類似。
内出血の吸収に伴い回復

(治療法)
三角巾でつる。

(合併症)
1. 肋骨骨折
2. 血胸・気胸
その他の骨折(関節窩、頸部、肩峰、烏口突起骨折)

 

3.関節窩骨折

(発生)
関節後方からの強打、外転位での衝撃

(症状)
1. 皮下出血による腫脹
2. 関節窩の破壊により内方へ移動し肩峰が突出

(治療法)
肩を後方へ引き、上腕を突き上げ、外転60°~80°固定

4.頸部骨折

解剖頸はまれ、外科頸が多い
(症状)
1. 上肢は挙上不能
2. 肩峰突出。下方は凹む
3. 肩の丸み消失。肩関節前方脱臼との鑑別が必要

骨折固有症状 脱臼の固有症状
1.異常可動性 1.弾発性固定
2.軋轢音 2.関節部の変形
3.転位

(治療法)
前内下方に転位した骨片を後外上方へ持ち上げるように固定する。

 

5.肩峰骨折

 

直達外力多い。三角筋による牽引もある。
(症状)
1. 一般外傷症状
2. 呼吸や、肩の運動で疼痛悪化

(治療法)
骨片を圧迫整復して、絆創膏を肩から肘にかけてて上腕を突き上げて固定。三角筋提肘。

 

 

6.烏口突起骨折

単独骨折はまれ。肩関節上方脱臼に伴うものがある。
(症状)
1. 前腕回内位で肘屈曲
2. 上腕を内方へ上げる動作により突起部に疼痛
(治療法)
骨片を圧迫整復。絆創膏を肩から肘関節にかけて上腕を突き上げて固定。三角筋で提肘

 

fukuchan

柔道整復師、鍼灸師、医薬品登録販売者として治療院を開業しています。 柔道整復師、鍼灸師を目指す学生さん向けに、オリジナルイラストを使って教科書をわかりやすくして発信しています。

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