【柔整 各論】上腕骨骨幹部骨折
上腕骨骨幹部骨折 診察
発生
直達外力:横、粉砕、軽度の斜骨折。
介達外力:手掌や肘をつく。筋力作用(投球骨折・腕相撲骨折)
症状
変形
三角筋付着部より近位での骨折→前外方凸変形
近位骨片:内方転位(大胸筋、大円筋、広背筋)
遠位骨片:外上方転位(三角筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、烏口腕筋)
三角筋付着部よりも遠位での骨折
近位骨片:前外上方転位(三角筋)
遠位骨片:後上方転位(上腕二頭筋、上腕三頭筋)
症状
・疼痛、腫脹
・皮下出血:上腕内側から肘関節、前腕内側
・機能障害:上肢の使用不能。前腕の回旋、手関節障害は少ない。
・異常可動性、軋轢音は著明
合併症
・偽関節:接触面積小さく、緻密質、固定困難と悪条件
・橈骨神経麻痺:整復時損傷、治療中の仮骨により埋没
上腕骨骨幹部骨折 整復
三角筋付着部より近位での骨折
患者:背臥位、肩外転位
第1助手:肩部を固定
第2助手:肘関節を屈曲させて、上腕の筋を緩ませて肘関節を末梢牽引を徐々に行う。
牽引後、遠位骨片を外転させて骨折部を接合の後に内転させる。
術者:遠位骨片を後方に圧迫し骨折部を接合した後に骨折部に前方から圧迫を加えると同時に第2助手に前方挙上させる。
三角筋付着部より遠位での骨折
患者:背臥位、肩外転位
第1助手:肩部を固定
第2助手:近位骨片骨軸に合わさるように遠位骨片を外転させる。
次に遠位骨片を内転させて術者が骨折部を接合させ内転させる。
術者:近位骨片を前方から圧迫すると同時に第2助手は遠位骨片を前方挙上させる。
上腕骨骨幹部三角筋付着部より遠位部の骨折 固定(必修)
材料:綿花枕子,厚紙副子,すだれ副子,金属副子,ミッデルドルフ三角副子,巻軸包帯,三角巾
範囲:肩関節から手関節まで
肢位:肩関節外転70°、水平屈曲30~45°、肘関節90°、前腕中間位
期間:7~10週間(螺旋骨折は約8週、横骨折は約10週)
固定手順
①綿花を近位骨片外側、遠位骨片内側、内顆にあてる。
②前後内外側からスダレ副子をあてる。
➂ミッデルドルフ三角副子にのせる。
➃患肢を包帯で巻く。
予後
・短縮転位は機能障害の原因にならない
・偽関節、橈骨神経麻痺があれば予後不良
参考文献
柔道整復学 理論編 第6版 南江堂
柔道整復学 理論編 第5版 南江堂
柔道整復学 実技編 第2版 南江堂
6件のフィードバック
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[…] ・上腕骨骨幹部骨折の三角筋付着部より近位での骨折の近位骨片を外上方転位させる。 […]
[…] ・上腕骨骨幹部三角筋付着部より近位での骨折の近位を内転転位させる。 […]
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[…] ・上腕骨骨幹部骨折の骨片転位に関与。 […]
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