【開業】整骨院開業の方法(テナント、自宅兼店舗)
現在の治療院(鍼灸・整骨・マッサージ等)開業で多いのはテナントを借りて行う場合と、自宅併用で行うことが多いです。
今回はこの二つの開業方法の特徴について考えていきます。
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テナント |
自宅併用店舗 |
立地 |
良い |
悪くなりやすい |
月々の支払い |
高い |
安い |
資産性 |
ない |
土地と建物が将来の資産になる |
通勤時間 |
場所によるが発生する。 |
0分 |
プライバシー |
ある程度保たれる。 |
家族構成まで近所に知られることもある |
表1:テナントと自宅併用治療院の大まかな違い
テナントを使う場合
テナントを借りる
メリット
⓵好立地で営業できる。
基本的には自宅併用整骨院よりはよい立地であり、より多くの集客効果が期待できます。
デメリット
⓵良い場所ではテナント料が高くなります。
また良い場所である程度人数をこなす場合は従業員を雇う必要があり人件費が発生してきます。
②自分の住む家の家賃がかかるということになります。
テナントで20万円、自分の住む家の家賃で10万円かかったとすると
一か月で30万円かかります。
その他機材費や自身の生活費なども込みで1か月あたりどのくらいかかるか検討しなくてはいけません。
1か月あたりの出費の一例
③資産性がない。
長期経過でみるとテナントはいくら支払っても自分の資産になることはありません。
例)1か月20万円のテナント料
20万円×12か月=240万円 (1年間)
240万円×10年間=2400万円(10年間)
10年間で2400万円 20年間で4800万円になります。
テナントを買う
あまり開業時にテナントを買うという方法は聞いたことがない方も多いと思いますが、実はテナントは売っています。
商業用の戸建て物件や区分テナント(1階の部分のみなど)として売っているケースがあります。
メリット
⓵将来の資産になる。
10年整骨院をやった後に売却もできる。
②テナントオーナーとなり賃料を得ることができる。
万が一、買ったテナントが整骨院に向かないとか思ったら自分が出ていき、賃料収入を得ることができる。
デメリット
⓵数として多くない。
不動産サイトを見ても地域によって異なると思いますがあまり数多く出回っていません。
②立地が良すぎると価格が高くて手が届か居ない。
自宅併用治療院
自宅併用治療院の特徴
メリット
⓵テナント料がかからない。
ケースによりますが住宅ローンと事業性部分(治療院部分)のローン合わせて15万円以下になることもあります。
②通勤時間が0。
自宅と一緒なので通勤時間がありません。
テナントで片道30分かかったとすると往復で1時間かかります。
1週間で6時間、1か月で約24時間になります。
③将来の資産になる。
将来整骨院を閉めるときに誰かに貸してもいいですし、家全体を売って現金に換え
ることもできます。
デメリット
⓵立地が悪くなる。
土地+建物の価格が必要となり人が集まりやすい街の中心部は土地が高くなるため購入が難しくなり、どうしても郊外になりやすいです。
②私生活も患者さんにわかるようになってしまいます。
この点が嫌な方でテナントにしているという人が多いのかなという印象です。
自宅併用治療院の始め方
この自宅併用治療院の方法は大きく分けて新築するか中古で買うかどちらかになります。
たまに賃貸でも自宅併用店舗が売っていることがありますが数がかなり少ないため難しいことが想像されます。
新築で自宅併用整骨院を始める場合
新築でたてる場合のメリット
⓵自分の好みに間取りを変えることができることです。
間取りの他に床材、壁紙、照明などありとあらゆる部分にこだわれるということです。
②清潔感がある。
当たり前ですが新築なので清潔感があります。
これは、以外と重要です。汚い・古いそれだけで入りにくくなります。
新築でたてる場合のデメリット
⓵価格が高くなる。
新築の家を買うので、メーカーによって異なりますが建物で何千万とかかってきます。それに加えて土地を買わなければいけない
ので大抵の場合ローンを使います。
土地も郊外になればなるほど安くなるのですがあまりに郊外だと人が来ない可能性があるのである程度中心部よりになる必要があ
ります。そうすると土地の価格が高くなります。
中古で自宅併用整骨院を始める場合
中古住宅を買って整骨院開業を始めるというパターンは珍しいですがこのパターンもあります。
元々住居兼整骨院という物件は少ないのですが元々歯医者兼住居など違う業態で使われていたものや事務所兼住居などがあります。
そういった物件をリフォームして整骨院使用にして使用した方がバリエーションが増えるのでお勧めです。
運が良ければなんでこんなに安いの?と目を疑うようなラッキー物件等もあります。
そういう物件は半日で決定したりします。ものすごいスピードで決まります。
なので事前に頭の中でシュミレーションをしておきこの条件がきたらすぐに買うという準備をしておくことが大事です。
中古で自宅併用整骨院のメリット
⓵価格が安く済む。
新築で建てる費用の半額以下で入手することができることもあります。
②居ぬき物件なら内装などの費用を押さえれる。
前のオーナーが整骨院を経営していた場合はそのまま使用できるケース等もあります。
ただし居ぬき物件には注意が必要な面もあるのでその点も考慮して判断した方がいい
です。
中古で自宅併用整骨院のデメリット
⓵種類が少ない。
テナントや普通の住宅などに比べて圧倒的に数は少ないです。
良い物件が出てくるのを待つしかありません。
なのでいい物件がめぐってくるまで開業できないということになります。
②設備故障や、外壁修理、屋根修理などの必要性がある。
建物の劣化度合によって異なりますがある程度年数のいった建物は必ず修繕費用が発生する考えていた方がいいです。
③住宅ローンが組みにくい。
木造住宅の法定耐用年数は22年となっています。
22年経てば木造住宅は壊れるという意味ではないのですが、資産的な価値は失うということです。
そうすると銀行等が融資をしにくくなるということになります。
新築なら35年ローンが使えるのに、中古だと10年といわれてしまうことなどもあります。
これは各金融機関や担当者によって異なる様なので実際に問い合わせてみるといいと思います。
まとめ
テナント物件の特徴
・好立地で集客しやすい。
・テナント料の支払いは資産にならない。
・プライバシーをある程度保持。
・通勤時間がある。
自宅併用治療院
・郊外の立地になりやすい。
・ローンの支払いが終われば自分の資産となる。
・近所の患者さんに私生活も知られやすい。
・通勤時間0
テナントか自宅併用なのか永遠のテーマですがどちらがいいということはなく、ご自身がどちらのタイプがあっているかということを判断し選ぶことが大事だと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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